登場人物名、一部の会社名は架空のものです。
更新は月、水、金になります。
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偽造カード相手に、
売れといったり売るなといったり、
どっちなんだよ。
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まあ、もう保険が降りない以上、
被害は全部PCショップが持つことになる。
PS2を何台も持ってかれたら、
この店がつぶれるくらい被害が出ちゃうよ…。
もはや、偽造カードの奴らは客とは扱えないな。
いや、客と扱っていた、
今までが異常だったんだけどさ。
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《追い返す》
軽く言ってるけどさ。
結構これ、大変なんだよ?
だってさ、理由無く客を追い返せないじゃん?
《あなたは犯罪者なので帰ってください》なんて、
面と向かって言える?
静かな雰囲気のヤバそうな偽造団に?
まあ、そうそう手荒な真似を店ではしないだろうけど、
穏便に帰っていただくためには…。
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【クレジットカード読み取り端末】
そういやこれ、コンビニでバイトしてたときは無かったな。
今回勤めてるPCショップはそこそこ大手だし。
僕は機械が苦手だから、
最初はエラーを起こしまくったな。
カードを読み取る角度が悪かったり。
用紙の補給を適切な位置にはめずにずらしたり、
<承認が必要です>の表示を見てあせって機械をひっくり返したり、
あらゆる失敗はやりつくしたはず。
ある意味、エラーの達人。
自然な動作でエラーを出すことも、
今となってはできる。
無数の失敗の経験は、乗り越えると役に立つんだぜ。
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僕
「PS2でゲームを楽しむには、
ほぼメモリカードが必須ですよ!」
怪しげな客
「いや、いらないよ。
本体だけ3つ下さい」
ああ、コイツ偽造っぽいな。
解説も全く求めなかったし…。
スーツを着て落ち着いた雰囲気だけど、
逆にゲームコーナーでは浮いてる空気。
ほぼ間違いない。
カードを受け取って…。
微妙な角度でエラーを出して…。
僕
「すいません。
どうやらクレジット会社の承認が必要なようなので、
連絡を取ります」
(実際は承認なんか関係ないよ!)
怪しげな客
「あれ?そう?
じゃあちょっと待って?
お金下ろして来るから」
(チッ! ここじゃこのカード使えないか!)
僕
「お待ちしております」
(しらじらしいんだよ!)
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何度かこんなやり取りをして、
あっという間に偽造団は来なくなった。
偽造団の人たちは、
必ず【お金を下ろして戻る】と言って戻らない。
事実上の撤退の台詞。
ただこうして追い返してしまうと、
一応はちゃんとした客である、
クレカ現金枠利用の客も、
全部まとめて門前払いしてしまうことになる。
けど、まあしょうがない。
被害を出すよりは、
疑わしきは売らずが正しい。
偽造団だろうと、
現金枠利用だろうと、
【ゲームが好きでもなんでもなく、
PS2がたまたま条件に合ってるだけ】なのは同じだし。
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こうして、
偽造団&現金枠利用の奴らとの駆け引きは終わりを告げ、
ゲームコーナーのバブルもはじけた。
それからさらにちょっと時が過ぎて。
佐保店長
「ゲームコーナーを閉鎖したいんだけど、
yosiちゃん、良いかな?」
Ep3終わり
Ep3.5【クレカ編 続】へ続く。