登場人物名、一部のカード名は架空のものです。
更新は月、水、金になります。
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頂点を極めたと思ったら、
閉店。
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閉店を聞かされた次の日、
出勤した佐保店長に、
詳しく話を聞いた。
佐保店長
「ああ…。閉店は本当だよ。
この話自体は結構前から出てたんだ。
ただ、この店は俺が売り上げ上げてたから、
何とか延命してたんだけど…。
今回は、
首都圏のうちの系列店が、
一斉閉店なんだ…」
………。
僕
「あのー。
僕Aカードの獲得で、
むしろ店に迷惑かけてませんか?」
佐保店長
「いや。yosiちゃんが頑張ってくれたおかげで、
この店の延命の交渉の材料にもなった。
でも、もう他の店がダメなんだ」
2002~2003年。
PCが儲かるという幻想が打ち砕かれた時代。
あまりにもどこもかしこもPCを扱うようになり、
競争が激化。
一人の売り上げスーパーマン(佐保店長のこと)だけでは、
流れを変えることができないところまできていた。
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僕が表彰されてから、一月しか過ぎてない。
それでこの状況。
もう、Aカードを獲得する必要は全く無くなった。
それどころか。
社員
「先日yosi君に勧誘された人が、
クレームをつけてきたよ。
《Aカード入ったばかりなのに閉店とはどういうことだ!》って。」
ああ。
そうだよな。
僕は自分で意図してなかったけど、
結果的には
《大量のお客さんをダマシチャッタんだ…》
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大きいチェーンのポイントカードなんだから、
他の店で使えば良いんだが、
今回は《首都圏全店閉店》
振るべき他の店が存在しない。
それでもなんとか、
横浜に全く別名の系列店が存在してて、
そこの一軒だけは何とか使えることが判明したが。
焼け石に水に等しい。
結局、残ったポイントは、
それ相応の商品券をつけるということに。
最低単位が¥500なので、
たとえ1ポイントのお客さんでも¥500の商品券が届く。
明らかに店に迷惑かかけてる…。
この事態になって始めて気づいた。
社員さんは《閉店の気配》を察してたので、
Aカードの獲得に力を入れてなかったんだ。
その中、
《空気を読まないことに定評のある》僕が、
本来普通の店なら社員さんが獲得するべき分も、
全て獲得していただけに過ぎない。
僕が全店一位になったのは、
そういう状況だったからなんだ…。
本来の実力は、上位100位前後くらいだろう…。
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その後、僕が全店一位になった景品が届いた。
¥20000分の系列店で使えるポイントと、
¥30000分の商品券。
大量のお客さんを、
期せずしてダマシテ手に入れたもの。
………。
まぁあんまりネガティブに考えてもしょうがないよな!
運が良かったんだよ!ボーナスボーナス♪
横浜の系列店はゲームコーナーもあったので、
ほとんどゲームソフトに換えて終わり!
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そして店は閉店。
Ep5に続く。
《Ep4は、時間をちょっと戻すので》