このコラムは現実を基にした、
フィクションのシリーズです。
登場人物名、一部のカード名は架空のものです。
更新は月、水、金になります。
==========
僕が成長してるので、
ネタにならなかった。
==========
2002~2003年
PCショップのAカード絶頂期
==========
佐保店長
「静岡までこの店の代表として、
出張してくれ!」
ぼくはそもそも正社員になったことは無く、
出張なんてものに縁が無い。
だから、この話を聞いた時、
面倒という気持ちよりも、
うれしさの方が勝った。
==========
出張とはいえ日帰り。
費用は全部会社が出してくれる。
僕はあまり旅行に出かけないから、
地理は詳しくないけど、
神奈川と静岡は隣り合わせ。
ただ、僕のいる神奈川県横須賀市は、
東端で静岡まで行くには、
やっぱりそれなりの時間がかかる。
というわけで。
佐保店長
「新幹線使って良いよ~」
修学旅行のとき以来の新幹線!
===========
そもそも指定席の電車なんてものにも、
普段縁が無いので、
とても目新しい体験。
車内販売が来る。
これも物珍しいので、
色々買い込んでしまった。
そして。
===========
静岡の浜松まで着いた。
後はバスで移動…なんだけど…。
どう考えても早く着きすぎた。
3時間は余ってる。
駅前で少し時間をつぶすか…。
そしたら、
駅前でアンケートをしてる女性に声をかけられた。
【Ep4 アンケート編】
死んだ目をした中年女性。
内容は…。
・美容には興味がありますか?
・そのためならいくらくらい払えますか?
・具体的に体のどこを綺麗にしたいですか?
質問は三つしかない。
はい いいえ で、
はいならその後の質問に続くようになってる。
用紙もお金をかけてない質素なもの。
普段なら無視するけど、
何しろ時間余ってるし。
ちょっと付き合うか。
==========
死んだ目をした女性は、
話もあまり面白くない。
この仕事を嫌々やってるんだろうなというのは伝わる。
騙されるにしても話術は大事だと思う。
僕だって、Aカード獲得トップなのは、
【真面目な態度で相手を引き寄せる話術】を身に着けたから。
ある程度の実力は持ってると自負してる。
だからこの女性にはあくびが出そうになる。
騙すにしても楽しんでやらなきゃダメだよ。
相手にもそれが伝わるよ。
==========
飽きてきたので、
目的をはっきり聞いた。
「ここに住所と名前と連絡先を書いてください…!
後日粗品を差し上げますので…!」
ああなるほど。
そういう騙しの手か。
まあ粗品なんて無いと考えるのが妥当だろうな。
本格的なアンケートなら用紙が適当すぎる。
別の目的があると考えるのが妥当だろう。
Ep1のマルチやEp2のデート商法のように。
もしくは…。
まあろくな使い方をされないだろう。
というわけで、
デタラメな名前。(友人の名前をもじった偽名)
デタラメな住所。(また別の友人の住所をモチーフにしてずらす)
デタラメな連絡先。(最初意外は全部ランダム数字)
それらを記入して話を区切った。
20分の暇つぶしになった。
=========
以上でEp4は終了。
もう慣れてるので全然騙されなくなっちゃった。
というわけでネタにならないよ。
しかしEp5は、
全く別の状況で、
きちんとダマサレソウニ…。
続く。
=========
出張自体は特筆することも無く終わった。
第一、その後すぐ閉店を知らされたし。