このコラムは現実を基にしたフィクションです。
登場人物名、設定は架空のものです。
更新は月、水、金になります。
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フィリピンでの月収は6万という話。
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ナカサトさん
「6万あれば充分贅沢できるぜ。
あっちでは」
↑これは2005年のデータ。
確かに安い。
特にメイド。¥12500で月一人雇える。
面白そうな話ではある。
こんなことでもないとフィリピンなんて行かないしな~。
どうせ失業してんだし、
社会勉強と思って行って見るのも良いかな…。
ただ、月収は低すぎる。
他の選択肢があればそちらを優先する。
女抱き放題と言われても、資産的にプラスになるわけでもない。
年金払うのも厳しい収入だし…。
考えよう。
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というわけでこの日の話は保留して、
横浜のパスポートセンターへ。
とりあえずパスポートは作っておいた。
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失業中の家族の食卓。
家族の他の3人は仕事をしてるので、
夕ご飯の用意は平日は僕の担当になった。
ご飯を炊いて味噌汁を作って、
刺身を切って干物を焼いて、
出来合いの惣菜を温めて、
自分で作った野菜炒めを加えるのが大体のパターン。
元々が不器用なのであまり手の込んだものは作らないけど、
それでも毎日作ってるうちに野菜炒めはまあまあの味になってきた。
風味付けに料理酒を入れて、
火をきちんと通してアルコールを飛ばして、
塩味は薄めにという基本を守るだけで食えるものになる。
そしてその日の食卓で、
【フィリピンに行かないか?】と言う話が出ていることを話すと。
両親共にとても反対。
父さん
「それ完全にヤクザの話だから、
止めておいた方が良いな」
母さん
「佐保店長はかなり胡散臭いから、
仕事に関する話はあまり信用しないほうが良いと思うわ。
知り合いも同じね」
………。
まあそうかもしれない。
僕は世間ズレしてて普通の生活に馴染めない。
それは学生生活で身にしみてる。
佐保店長やその知り合いは、
そんな僕よりもより世間とはかけ離れた人たちだ。
そういう視点で見ると、
今回の話は……キケンかもな。
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その後、会社員である佐保店長は、
首都圏ではない店に異動になり、
そのまま会うことがなくなってしまい、
今回のナカサトさんの話も自然消滅。
まあ、良かったのかも知れない。
で、それとは別に、
サカイさんと佐保店長抜きで偶然再会したときに、
こんな誘いが。
サカイさん
「マダ失業してるのか?
なら、俺のとこの、
オカマバーのボーイにならないか?
雑用係が足らないんだよ。
新しい道に、
目覚めるかもしれないぜ!?」
僕
「丁重にお断りします!」
やはり、何でもかんでも、
体験してみれば良いってもんじゃない。
世の中には知らなくても良い世界がある。
今回のEpは色々誘惑もあり、
ダマサレテミタイ気持ちもちょっとあったけど。
少なくとも男に走ろうとは全く思わん!!
Ep5終。
Ep6に続く。