2005年 外資の会社に勤めてた 回想5 | yosiのゲーマー日和

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元ゲーム店員のゲーマー日記。
日曜に毎週のゲームプレイ近況連載中。
月曜はゲーム以外の近況日記。
火曜日は週刊少年ジャンプの感想。
他の日は漫画やゲームなど。
アクションは苦手。RPG、テキスト系中心。

目次

 

・会社名 登場人物名は仮のものです

・この話はフィクションです 

実在のものとは一切関係ありません たぶん


==========

 

工場地帯(ぽい)地形を抜けて、

公園も存在してる郊外まで来た。

開始。

  

訪問営業は忍耐勝負。

 

【ピンポーン】

【ピンポーン】

【ピンポーン】はーい。いらない。

【ピンポーン】

【ピンポーン】

【ピンポーン】

【ピンポーン】はーい。えー何?

………………(丸め込まれる)

 

後はコレの繰り返し。

 

「この地域で電話が安くなるサービスが始まったので

ご案内にきました」

 

そもそもこんな訪問で、

玄関に出てくれる人は少ない。

 

「だから、ひたすらチャイムを押すしかないんだ。

もう、玄関まで出てくれれば勝ちだな。

7割以上落とせる」

 

中村さんはプロだ。

本当に落とす。

 

11時ごろ営業をはじめ、

13時には3件獲得していた。

 

もちろん、それまでに押したチャイムの数は膨大。

そもそも出てくれないことが普通。

 

「少し待って返事が無かったら移動!

この仕事は効率が大事だからな。

あと、話を聞いてくれなそうでもすぐ諦める。

 

とにかくチャイムを押していれば、

チャンスはめぐり合えるんだ」

 

ちなみに悪質な訪問だと、

ウソや紛らわしいことを言う。

「宅配でーす」

「無料でクリーニングします(と引っ掛ける)」

こんな感じで。

 

「ウソ言って出てもらっても契約してもらえないから。

正々堂々とチャイムを押し、声を掛け続けるんだ」

 

そして、

適当なコンビニに寄って昼休憩。

喫茶スペースないから、外に座り込む。

 

おにぎりとジュースを流し込むだけの質素な食事。

僕も中村さんに習って同じような食事にする。

 

季節は春。

太陽の光がちょっと熱い。

何しろスーツだし。

 

「今日はもう3件行ったし調子いいや。

この仕事は、自分でペースを決められるのが良い所だよ。

よし!午後もがんばるぞ!」

 

【ピンポーン】の繰り返しも、

ある程度のところで報われる。

 

で、今は火曜日14時くらい。

ひたすらチャイムを押してるのを見てて気づくのは、

やはり世間一般は昼間は主婦の時間ということ。

 

出てくる人の8割は主婦だもんな。

 

中村さんが男前なのも好成績の理由の一つ…と思ったら。

 

「広告代理店から転職したばかりのときに、

俺、結構いい成績上げたんだ。

でも、その後すぐスランプに陥って…

人間、調子に乗るとダメだな。

 

で、売れてる営業さんの下につけてもらって、

その人の売り方をまねてさ。

それからは入ったとき以上に売れてんだ!

 

今はほぼ毎日5件を落として無いから、

日給は¥15000はいつも越えてるぜ!」

 

17時。本日は8件獲得。

¥24000の日給の中村さん。

 

完全歩合は、出来る人にとっては、

努力に見合った収入を得られるシステムなんだな。

 

「さて、yosiくん

明日はチャイムを押してみるか」

 

続く。