・目次
・会社名 登場人物名は仮のものです
・この話はフィクションです
実在のものとは一切関係ありません たぶん
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【勤務9日目】
まずは、
ちょっと僕の過去を読んで下さいな。
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僕は前のPCショップにて、
クレジットカードつきポイントカードの、
3ヶ月の総勧誘実績で、
全店2000人の社員&バイトで一位を取り。
臨時ボーナスとして5万円相当の、
商品券&その店で使えるポイントをもらい、表彰された。
手取り10~12万のバイト(ボーナスなし、残業代切捨て)に、
もう、涙が出る程うれしい収入。
全部ゲームに消えたけどな。
しかも直後に閉店を知らされて、
むしろお客様や他のみんなに迷惑を掛けたがな!
(社員さんは、閉店の気配を察して獲得に力を入れてなかったらしい)
でもそれはともかく、
2000人で一位になったのは事実。
というわけで僕、
多少は自分の営業力に自信を持っていた。
でも、みんなが商品を持ってくる、
【レジ】で一声掛けていただけに過ぎず、
自分から声を掛けに行っていたわけではない。
獲物を求めるライオン型営業ではなく、
獲物を待つアリジゴク型営業に優れていたんだと、
この2週間近くで、
嫌というほど思い知らされた。
そうでなければ、ここまでゼロ件は続かない。
たぶん、僕は最後の一押しが足りないのだろう。
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さまざまな訪問営業の達人に出会い。
自分は適性が違うことはもうわかってる。
初日で三件獲れる徳川君に追いつくことは不可能だ。
中村さんや門間さんなんかとんでもない。
でも。
負け犬のまま辞めたくない。
負け犬には負け犬のプライドがある。
だから。
【辞める前に訪問営業で一件は、
何とか獲得してやる!】
勤務9日目。
今僕は、ただそれだけを目標にしていた。
そして、藤沢駅に着いた。
中村さん
「もう少し先の駅だな…」
横浜もそうなんだけど、
大きい駅はオフィス街なので、
個人の家の訪問である直収電話の営業には向いてない。
ターミナル駅藤沢からさらに幾つかの駅を超えて、
目的の場所に着いた。
田舎だ。間違いなく田舎だ。
明らかに駅前以外店が何も無い。
そして広がる住宅街。
ちょっと一件一件の家は広めだな。
続く。