・目次
・会社名 登場人物名は仮のものです
・この話はフィクションです
実在のものとは一切関係ありません たぶん
《そろそろ終盤突入です》
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【勤務8日目】
リーダー中村さんと、
副リーダー荒川さんと、
この中では紅一点の三浦さんと現在電車の中。
中村さんと三浦さんは二人で話してるので、
僕は荒川さんと会話。
陣内智則 みたいなイメージの人。
荒川さんもできる人だ。
「中村とは高校の同級生なんだ。
で、東京支社で久しぶりに偶然出会ったんだよ」
へー!
「で、アイツが先にいて…。
元々が友達だったし、
色々影響受けたぜ!
で、一緒に横浜支社に来てさ。
そのまま俺もリーダーになったんだ」
「……あれ?
荒川さん、副リーダーですよね?」
「ああ。今はね。
俺さー。降格されちゃったんだよ!(笑)」
力強く強調する荒川さん。
すげー!
ここまで堂々と言えるとは!
「降格って…件数ですか?」
↑僕は基本的にズケズケ言うタイプだ。
ただ最近はちょっと抑えてるけど、
相手が細かいことを気にしない人なら、
ガンガン踏み込む。
「いや…別の理由。
俺さ~。結婚してんだけど」
………!
福利厚生どころか明日の金の保証も無いこの仕事で?
結婚?
なんというムチャ。
「できちゃった結婚でさー」
あー…。よく聞く理由だな。
基本的にはそういう男はイイカゲンで嫌いだ。
ただ、全ての例で、
男が100パーセント悪いわけでも無いんだよな…。
この辺が男と女の難しいところ…。
それはともかく。
「このイッパ・クレストの同僚なんだよ。嫁さん。
いや、正確には【だった】かな。
かなりの件数獲ってたから、
せっかくの戦力を失くしてしまった責任で降格さ!」
「何やってんすか~~!
そりゃ降格にもなるわ(笑)」
↑相手のノリに合わせて突っ込みモード。
写真見たら荒川さんの奥さんは結構かわいかったので、
たぶん、ものすごい争奪戦が行われただろうな…。
ここの人たちはナンパの達人みたいな人ばかりなんだから。
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若い男と女が一緒に働いているんだから、
そりゃあ職場恋愛もあるさ。
イッパ・クレスト横浜支社は、
20人の外回り社員のうち3人が女性。
あとは、内勤の事務の女性が一人。
内勤は支店長と事務の女性の計二人だけなので、
後の女性は全部外回り。
今残ってる女性陣は、
さすが訪問営業で食える人だけあって、
男顔負けというか、男勝りというか、
男そのものというか…まあそういう力強い女性ばかりだ。
荒川さんうまいことやりやがって。
まあ、それで降格されてて報いも受けてるが。
で、三浦さんは…若い女性議員を思い浮かべると分かりやすいかも。
美人じゃなくて、できる人なイメージ。
で、中村さんと三浦さんを見てると、
どうみても三浦さんが惚れてるって印象。コレも職場恋愛だな。
ただ、中村さんはそんなに乗り気でもなさそうな雰囲気。
あくまで印象で詳しく聞いてないが。
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今日の営業を終えた。
中村さん
「そろそろ川崎も限界だな。
明日は別の場所に行こう」
三浦さん
「私も一緒に行くね~」
そして職場に戻ると、
徳川君が、独り立ち初日で、
3件獲得してた。
僕は今日もゼロ件だ。
しかも、昨日と違って特にサボってない。
支店長
「yosi君は…ゼロ件か」
中村さん
「彼は、まだこれからですよ」
ああ。
どうみても徳川君と比べられてる…。
続く。