・目次
・会社名 登場人物名は仮のものです
・この話はフィクションです
実在のものとは一切関係ありません たぶん
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【勤務9日目というか
ラスト2日】
朝、営業報告会にて、
早速徳川君が褒め称えられてる。
支店長。
「ハイ!ハイ!ハイ!ハイ!
徳川君サイコー!
とくちゃんサイコー!
もう3件da!
もう3件da!」
このノリ、
やっぱりついていけない。
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この職場はノルマは存在しない。
また、目標は設定されるけど、
目標未達成時に罵倒されることも無い。
とにかく、
怒られる事はほぼ皆無。
理由は簡単で、
完全歩合のイッパ・クレストは、
契約を取れなかった人間には一円も出さない。
普通の会社の場合、
仮にその営業が件数ゼロでも、
日給を払ってる。
だから給料分の元を取るために、
ハッパを掛けたり、罵倒したり、
クビと脅したりしなければいけない。
まあ何を言いたいのかというと。
【ノルマ制のほうがマシでは…?】
まあ、絶対に怒られないというのは、
自分のペースで仕事したい人には魅力的なのかも。
そういう視点で外回り社員を見渡すと、
みんな自我が強すぎる人ばかり。
ここは会社じゃなく、
なんか共同体みたいなものなのか。
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いつもの牛丼屋で会議。
僕はこの店の牛丼は嫌いなので食わない。
吉野家に比べてあまりにも劣化しすぎだよ…。
近くのモスバーガーの方が良い。
でも、言える立場じゃない…。
せめてもの抵抗として、家でいつも朝食を食べてる。
中村さん。
「今日は営業場所を変えよう。
もう川崎は限界だ。
何とか俺は毎日目標達成してるけど手ごたえ的にヤバイ」
三浦さん。
「じゃあどこにする~?」
荒川さん。
「どうせならみんな行った事無い場所の方がいいな」
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2005年当時、
某電話会社の神奈川地域の直収電話カバー率は、
9割くらいで、まだ始まって無い地域もあった。
で、サービス開始になった時期は、
それぞれちょっとずつずれるので、
場所選びは重要。
ただ、みんな近いところの方を行きたがるので、
横浜地区はほぼ完全に行きつくしていた。
で、北隣の川崎市もほぼ終わり。
南隣の横須賀市は別グループが行ってる。
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中村さん。
「藤沢は……まだ俺ら、
誰も行って無いよな」
みんなうなずく。
「今日は藤沢まで行くぞ!」
藤沢市は横浜から見ると西隣。
江ノ島、湘南海岸などが有名な場所。
僕からみると観光地的イメージが強い。
こうして、
僕たちは新たな営業場所まで電車で向かった。
続く。