・目次
・会社名 登場人物名は仮のものです
・この話はフィクションです
実在のものとは一切関係ありません たぶん
=========
【勤務10日目営業開始直前】
結局の所すでに12時前。
営業開始前にコンビニに寄る事にした。
すると、荒川さん、三浦さんもいる。
四人で食事。
三浦さん。
「この辺は本当に初めてだね」
荒川さん。
「まあ奥さんのためにも、
俺は頑張るだけさ!」
↑おまえは頑張れ。
本当に頑張れ。
中村さん。
「じゃあ夕方5時くらいに合流しようぜ。
ここまで2時間くらいかかってるし、
あんまり遅くまでいたくないしな」
みんなうなずく。
つまり、本日の営業時間は5時間。
全員コンビニの簡単な食事を済ませ、
改めて中村さんと二人きり。
「yosi君。
今日も昨日と同じように、
一件ずつメモを取ってってくれ。
この辺は地図で見る限り、
整備された区画のようだ」
たしかに。
凄くきれいな四角がいくつもある。
高級住宅地って感じだな。
「俺が左の方を回るから、
yosi君は右の方ね。
今日は普段より時間が少ないし、
合流は最後まで無し。
ただ、もし分からないことがあったら、
携帯電話に連絡をくれ。
じゃあ行こうぜ!」
そしてある晴れた春の日。
営業が始まる。
まずは、
自分が回る範囲をざっと早足で歩いてみた。
整備された区画は見た目もきれいで歩いててキモチイイ。
ある程度歩くと国道っぽい道にたどり着いた。
ガソリンスタンドや工場がある。
国道は越えないようにぼんやりと歩く。
そして、
地元のケーブルテレビの会社があるようだ。
詳しく見て無いから支社なのか本社なのか分からないけど。
元々散歩は好きなので、
非常に楽しいのだが…。
スーツで営業に来てるんだよな。
いつまでも現実逃避できない。
始めるか…。
嫌だけど。
…本当に嫌だけど…。
もう、チャイムを押すのは、
本当に嫌過ぎるけど…。
~~~~~~~~~
全部振り払え。
なんとしても、
一件は獲得するんだ。
30分以上は過ぎただろうか。
まずは一件目。
勇気を出してチャイムを押す。
もう、毎日やってるのに、
全く慣れない。
そしていつものように、
出てさえくれずインターフォンで断られる。
またちょっと、
心が壊れつつ、次へ。
次へ。×
次へ。×
つぎへ。△
つぎへ。×
つぎ。×
つぎ。△
ツギ。×
…………
いつもどおりの一日が始まった。
心がどんどん壊れてく。
壊れてく。
こわれてく。
コワレテク。
ツヅク。