・目次
・会社名 登場人物名は一部仮のものです
・この話はフィクションです
実在のものとは一切関係ないという建前です
=========
【勤務開始10日目営業中】
現在午後1時くらい。
早速心が壊れそうなので、
20件くらいチャイムを押したところで休憩。
サボりモード。
また、散歩することにする。
さっきは北にいったら国道だったので、
高級住宅街に戻り、
今度は南の限界まで散歩。
おお、かなり大き目の集合住宅が三つもあるではないか。
全部回れば100件以上になるよ。
しかし。
《訪問販売立ち入り禁止》
三つともはっきりと書いてあるな。
特にオートロックではないので入れるが。
管理人も見当たらない。
とりあえず1階だけ入ってみる。
ロビーは広い。
しかし、
やはりチャイムを押しにいくのは止めておく。
あそこまではっきり書いてあるなら、
何か突っ込まれたとき何にも言い訳できん。
==========
そしてまたブラブラすると、
閉まってる駄菓子屋と、
ジュースの自動販売機。
………おい。
すでに¥500入ってるんだけど。
何か押せば僕はジュースを買える。
でも、スルーすることにした。
明らかに前の人の忘れ物だろう。
時間を空けてまた来て見て、
改めてジュースを買おう。
==========
そしてさらに歩くと学校が見えた。
小学校辺りかな?
そして、線路沿いの風景。
JRなので一本の線路のみ。
かなり線路近くまで近づける。
高級住宅街を抜けてちょっと田舎っぽくなってきたので、
風景も朴訥として味がある。
携帯電話で何枚も写真を撮り、
風景を納める。
↑僕が行った場所もありますが、どれかは特定しません。
まあ大体こんな感じの場所だったということで。
いや~。
楽しいや。
散歩。
ただ、今日は九日目と同様、
チャイムを押した後メモを取っている。
サボってた時間分、
適当に水増し。
××○×△△××××と、
散歩しながらこの家ならと聞いてくれるとか、
勝手なイメージを付けてメモに記入。
気づくと一時間くらい時間が過ぎている。
==========
そしてまた、
高級住宅街に戻ってきた。
気分転換も済んだのでチャイム再開。
何件か×を繰り返し、
ある家に着いた。
庭がかなり広い。
花の手入れも整ってる。
家そのものも3階建てか?すごい高級感。
チャイムを押す。
「はーい」
すぐ玄関まで出てきた。
おとなしそうな美人の若奥様。
20代っぽい。
「電話の割引サービスのご案内で来ました、
電話会社の○○です」
↑電話会社はNTT以外の直収電話の会社を名乗ってる。
NTTとか嘘はつかない。
一部そういう奴もいるそうだがな。
「あ、はい。
中に入ってください。」
玄関外から中の靴置き場の所まで入れてもらう。
………珍しくスムーズだな。
警戒心が無い。
続く。