2005年 外資の会社に勤めてた 回想22 | yosiのゲーマー日和

yosiのゲーマー日和

元ゲーム店員のゲーマー日記。
日曜に毎週のゲームプレイ近況連載中。
月曜はゲーム以外の近況日記。
火曜日は週刊少年ジャンプの感想。
他の日は漫画やゲームなど。
アクションは苦手。RPG、テキスト系中心。

目次

 

・会社名 登場人物名は一部仮のものです

・この話はフィクションです 

実在のものとは一切関係ないという建前です

 

=========

 

【勤務10日目営業中 午後3~4時】

 

……………。

 

やっと一件目が獲得できると思ったのに…。

 

さすがに諦められない。

説得を試みる。

 

~~~~~~~~

~~~~~~~~

~~~~~~~~

 

「でも……やっぱり……」

 

…………ここで気付いた。

 

「僕、押し売りじゃないか?」

 

そのとおりだ。

結局この会社の仕組みだと、

お客さんの意思なんて関係なしに、

とにかく契約を獲って、結果を残したものが正しいんだ。

 

過程なんかは関係ない。

僕が中村さんを尊敬していたのは、

全てお客さんが納得済みで契約していたことだけど。

 

結局は門間さんのように、

「自分の利益のために、

契約を強いる」事になってしまう。

どうしたってそうなるんだ。

 

この若奥様は気弱ないい人だ。

 

 

・強引に契約を強いる

・若奥様のために退く


2択。

 

==========

 

退いた。

 

何でもいいから1件獲るという自己満足よりも、

相手の意思を尊重するということを優先した。

 

そして、若奥様に、

全てを話すことにした。

 

「こんな契約しなくていいです。

大事なのは必要だったら契約することで、

疑問に感じたらしなくていいんです。

 

私はもうこの仕事辞めます。

結局、押し売りになってしまうし、

こんな長い時間付き合ってくれて感謝してます。

 

あなたが最初で最後の、

私の大事なお客さんです。

本当にありがとうございます!

 

でも奥さん、

本当にあなたの家はメリットがあるから、

その気になったら改めて、

自分の意思で契約してください。

パンフレット置いておきます。

 

もう、訪問販売なんかにのせられちゃだめですよ!」

 

~~~~~~~~~~

奥さんとはその後、

小一時間話し込んだ。

 

「どうも。色々ありがとうございます。

次の仕事、がんばってくださいね、

応援してます…」

 

ありがとう。

 

契約は獲れなかったけど、

自分の営業で契約しようと思ってくれた人がいて、

その人にもっとも理想的な電話契約を提案できた。

 

満足だ。

もうこの仕事で思い残すことは無い。

 

今日で辞めよう。

 

続く。