・目次
この話は現実を基にしたフィクションです。
登場人物名は仮名です。
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パク君が消えて。
新人夜勤バイトの折沢君は、
二十代中盤。
普通に仕事やる気なし。
しかしあくまで普通。
パクくんと違い日本語は通じるし、
八重樫さんとちがいひどい仕事ぶりでは無い。
ただ。
【自宅電話も携帯電話も持ってない独り暮らし】
さすが伊勢左木町…。
問題ある人ばかり…。
しかし、時間はきっちり守るし、
本当に最低限だけだけど仕事はするので、
戦力にはなる。
もちろん、リーダー格のケンからは愚痴られる。
「折沢本当に仕事しない 休憩しまくり」
もう…。
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外見で人を判断してはいけないことを、
学ばさせてもらった、
【高校中退のピンクの髪の18歳男子カッチャン】
彼は、仕事っぷりはケンの次の夜勤バイト。
折沢君のこともいつも愚痴ってる、
仕事に真剣に取り組む子。
僕は彼と仲良くなって職場以外でも会うようになってた。
そして分かったことは。
【塾でトップクラスの成績】の優等生だったそうで。
とにかく頭がいい。
特に数学については学年でも上位。
ただ、勉強よりもおしゃれとか仲間と遊ぶこととか、
そういうことに興味を持ったため高校を中退。
複雑な家庭の事情も影響してた感じ。
結局彼は紫の髪とか黄緑の髪とか、
奇抜な色を散々試してバイトしてた挙句。
最後は黒髪にして、
ケンと同じ中流大学へ進学した。
ケンを尊敬して、また学業をがんばる気になったそうだ。
本当、外見で人は判断できないな。
とはいえ、接客業でピンクの髪は、
やっぱりどうかと思ったのも事実だが。
ただ、僕一度彼の家に行って、
赤い髪に染めてもらったことがある。
「yosiさん髪染めればかっこよくなるよ!」と、
カッチャンの好意だった。
そのときはカッチャンの彼女も協力してくれて、
僕の眉毛を整えてくれて。
オタクの僕にちょっとおしゃれを教えてくれた恩人。
というわけで僕は一時、
赤い髪でコンビニ勤務してた。
ぜんぜん人の事いえない。
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そして折沢君の加入により、
結構落ち着いてきた夜勤態勢だけど
また一人、
戦力になる新人が。
続く。