・目次
この話は現実を基にしたフィクションです。
登場人物名は仮名です。
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やすしは大学生だけど、
僕と同じ年で中学も同じの同級生。
同じクラスになったことはないけど、
僕と共通の友人もいて、すぐ友達になった。
ゲームの趣味も合ったし。
ちなみに僕は3年制の専門卒だけど、
彼は4年制大学を一年留年。
大学の合間にバイトを入れてて、
朝、昼、夕、夜全てのシフトを、
嫌な顔をせず手伝ってくれる。
でも、朝は苦手で、
遅刻するんだよなぁ、やすし。
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やすしは天然系の堀さんに、
明らかにアタックを掛けてるけど、
堀さんはどうでもいいという感じ。
傍から見てるとよくわかるな。
で、僕は堀さんともチョコチョコ話して、
バンドマンの彼氏がいるとか分かってきた。
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というわけで、
二人とも仕事仲間としてそこそこ打ち解けてる状態。
あとは、きちんと注意をするだけ。
まずはやすしから。
「やすしくん、いつも仕事頑張ってくれてありがとう。
でも、やっぱりちょっと遅刻多すぎるかな
朝つらいのは分かるけど、やっぱり曜日によっては凄く困る。
なんとか努力してみてくれるかな」
「yosi ごめんね 努力するよ」
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で、すぐまた遅刻しやがった。
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堀さんにも注意。
「横須賀から来ていてつらいのも分かるけど、
やっぱりちょっと遅刻が多すぎるよ。
困るのはみんなだから、なんとか頑張ってみてよ」
「は~~~い」
何か気の抜けた返事。
で、すぐまた遅刻しやがった。
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全然現状かわんねぇ。
で、僕の出来ることは、
【何度も同じ注意をし続ける】のみ。
幸い、僕は遅刻は一切しないので、
注意をできる立場であり続ける。
あとはもう地道な努力だ。
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2週間くらい注意を続けて、
やすしの遅刻は減ってきた。
だが、堀さんが、
2時間も遅刻しやがった。
さすがに腹が立ち、
説教開始。
「この残ってる荷物を見て!
人に迷惑を掛けるってのはこの事。
堀さん、君はちゃんと仕事してくれるし必要な人材だけど、
だから時間通りに来てくれないと本当にコマルんだよ!!!!」
↑テンション高め
そして一呼吸置いて。
「いいかげんにしろ」
↑暗く静かに。
「……すいません………」
いつものゆったりしてノホホンしてるムードが消えてる。
ちゃんと、自分のこととして聞いてくれてる感じ。
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一月後の夜勤リーダーのケン。
「あの二人、やっと遅刻しなくなったぜ!
ありがとうよ!」
何度も注意し続けた甲斐あったぜ。
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米川さん。
「店長が言ってたよ。
今回の棚卸し、
差異が30万くらいで済んだってさ」
よっしゃ!
努力はちゃんと実ってる。
額としては100万マイナス→30万マイナスだけど、
棚卸しは3ヶ月に一度なんだから、
一月33万マイナス→10万マイナスくらいまで減った!
店はいま、
本当にいい感じだ!
続く。