・目次
この物語は現実を基にしたフィクションです。
登場人物名は仮名です。
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棚卸し事件に次ぐ、
崩壊の予感2段階目。
【2002年2月後半】
もう一人のバイトリーダー。
実質的な副店長である米川さん。
何か最近、
お金をいじってることが多くなった。
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毎日続いてる。
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……………???
なんなんだろう?
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ある日、
米川さんが、
店長がいない時間に理由を話してくれた。
「岩越店長が、売上金を持っていってしまったんだ。
だから毎日、
次の日の売り上げを作っては銀行に振り込んでいるんだよ。
毎日の手間が増えたよ…」
………???
あ!
そういうことか!
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ちょっとややこしいので、
詳しく説明するね。
コンビニは大体、
一日に50万円くらい売り上げがあれば、
店を続けていけるらしい。
50万×30日として、一ヶ月1500万のお金が動く。
でもこの伊勢左木町は売り上げは高め。
なので、だいたい一日に100万くらいあったと仮定。
そして、月曜の売り上げはもちろん、
火曜には本部に振り込む。
ただ、銀行は土日は開いてない。
そのときは、とりあえず金庫に売り上げをしまっておく。
ところがある日。
本来、週明けに振り込むべき分を、
岩越店長がお金のやりくりに持っていってしまった。
もちろん、お金がなくなる。
しかしコンビニを開いていれば、
お金は自然に売り上げで入ってくる。
だから、毎日毎日売上金が溜まったら、
そのたびに銀行に振り込みに行くという手間と引き換えに。
岩越店長は、一回分の売り上げを、
まんまと横領に成功したわけ。
こういうこと。
金土日の売り上げ¥300万→月曜に振り込む。
↑そのうち、金曜の売り上げ¥100万分だけ横領。
土日の¥200万分しかなくなるが、
月曜も店を開いてるので自然に100万ができて、
もとの金土日の売り上げ¥300万になる。
銀行に振り込む。
レジは一度空になる。
次の日。火曜
やはり月曜の売り上げ¥100万を振り込まなくてはならない。
レジはそこまでお金はない。
また、昼過ぎに売り上げ¥100万が溜まる。
以後この繰り返し。
本当なら、
売り上げをそのまま銀行に振り込めば、
計算は簡単なんだが。
横領のおかげでよけいな計算が増えた。
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分かりづらかったらすいません。
とにかく、
【岩越店長が売上金に手をつけてる】ことだけ
認識していただければけっこうです。
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ヤバイ。
この店、ヤバスギル。
米川さんもさすがに不満を口にしてる。
しかしこの後、
さらに状況は悪化していく。
平和な話を織り交ぜつつ、
続く。