・目次
この物語は現実を基にしたフィクションです。
登場人物名は仮名です。
==========
崩壊第4弾
【2002年3月前半】
僕の給料は大体、
一月18万くらい。
時給880円で計算すると、
200時間くらい働いているのかな。
社会保険は無いので、
自分で年金と保険を払って、
食費をある程度家に入れて。
で、最近コンビニ仲間と結構遊んでるし、
貯金は全然増えてない。
そして給料は手渡しだ。
==========
岩越店長
「頼む!給料払うの待ってくれ!」
==========
本当ならさ、
ここできちんと岩越店長と僕の会話を、
記載すべきなんだけど。
何しろさっぱり覚えてない。
なので、僕はいったい、
どのように言いくるめられてしまったのか。
想像の話になってしまう。
==========
岩越店長
「やりくりが本当に大変でさ。
悪いけど、給料は後にしてくれないか?
今度払うから!今度!」
「いや。さすがにあの~」
「貯金あるんだろう?
頼むよ!
米川さんとアキマサくんにも待ってもらってるんだ!」
まあ、大体こんな会話だったのかな。
==========
米川さん。
「いくらなんでもいい加減すぎるよな。
岩越店長。
さすがに我慢できない……けど。
もう少し様子を見る」
米川さんは大人の常識人。
だからこそこの非常識な事態に我慢できないし。
でも、すぐ怒りのあまり行動してはいけないことも、
よく理解してる。
だから、まだ冷静。静かな怒りだ。
===========
アキマサ。
「ちょっト困ルかな…。
そんなに貯金ないシ」
アキマサはいじめられっ子なので、
コレくらいの事態では動揺しない。
そのへんは僕と同類。
ただ、やっぱり人間的に問題はあれど、
イイ奴なのは間違いない。
普通なら怒り狂うぞ。
給料遅延なんて。
===========
給料がきちんと払われなかったのは、
以上三人。
他のメンバーはそんなことない。
つまり岩越店長は、
あきらかに《なんとか我慢してくれそうな店の中心人物》を狙い、
給料を遅延してる。
ただ、僕が米川さんとアキマサと違うのは、
【すでに貸してる50万が存在してる】こと。
ただ、利子として2万もらってるから、
実際は48万か。
48万に18万を加えて=66万
僕は今、コレだけの金額を岩越店長に貸してる。
==========
コレだけの異常事態なのに、
それでも、平和な人間関係も続いてるんだよね。
まあ、実際日常が崩壊するときも、
事件があってということもあるけど。
普通の日常を送りつつも、
実は崩壊してるということも、
よくある話。
==========
コンビニの同僚たちは大事な仲間。
岩越店長に怒りはあっても、
簡単に辞めるとかの行動に移さなかったのは、
それが理由。
だから。
崩壊はまだまだ続いてしまうんだ。
続く。