・目次
この物語は現実を基にしたフィクションです。
登場人物名は仮名です。
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僕の母方のじいちゃんは、
2007年11月に亡くなった。
そして当然、
2002年の4月には生きてる。
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伊勢左木店の崩壊が進む中。
【2002年4月】
駅が近いので、
ちょこちょこ遊びに来てるじいちゃん家にて。
じいちゃん
「俺のコネで、
スーパーの正社員にならないか?
今なら口利きできるぞ」
母さん
「今、パパ(僕から見たじいちゃん)は、
地元の名誉職に就いてるから、
チャンスは今しかないわよ」
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降って湧いた突然の、
しっかりした就職の誘い。
じいちゃんは地元の中小企業の会長で、
よくポスターが張ってある政治家とかと一緒に、
パーティもやってるし、
何か警察に顔が利くらしい。
警官がじいちゃん家に挨拶に来る。
つまり、横須賀では権力があるらしい。
会社もこのときは10個くらいあり、
小さいながらも地元では安定してた企業だった。
(過去形)
ただ。
なんでこの状況なのに、
僕自身がそのじいちゃんの会社に入らないのかというと。
母さん
「あんたは本当に機械弱いからね…。
車をいじる今の仕事はムリね…」
僕もそう思う。
母さんは14歳から家業の手伝いで車をいじってる、
筋金入りのプロ。
だからそのままじいちゃんの会社に勤めてる。優秀。
かたや僕は自転車も乗れないし、
免許を取るのも運転が下手というレベルを超えてて。
それでも普通の人の2倍のお金を掛けて、
教習に落ち続けながら強引に免許は取ったけど、
助手席の同乗者がハンドルを切らなければ、
事故ってた危機が何度もあって、運転はやめた。
機械も死ぬほど苦手。
車関連の仕事なんぞ、
出来るはずもない。
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だから、関連会社じゃない、
全く違う企業での就職の誘いを、
用意してくれたのであった。
スーパーか。
スーパーといえば…。
猿宮さんと木下さんがいるが、
猿宮さんは経営者だったからちょっと違うな。
木下さんはどうだろう。
「ええ!
あの会社に誘われたんですか?
それ、私がいた会社ですよ!」
なんと!
続く。