・目次
この物語は現実を基にしたフィクションです。
登場人物名は仮名です。
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【今回の話、全然コンビニと関係ない】
今日が土日なのを忘れてた。
よりによって,
女の子とのデートの日に、
地味な大学生男子と話し込んで、
終電を逃すなんて…。
もうちょっと身のある逃し方をしろよ…。
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当時の僕の家は横須賀市の、
その中間くらいの場所。
横浜市中区の伊勢左木からは、
もう横須賀への電車は終わっていた。
それでもなんとか、
横須賀と横浜の境目くらいの駅には着いたが…。
家まではあと10駅程。
現在夜一時くらい。さてどうする?
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・1 タクシー
・2 適当な店で過ごす
・3 歩く
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まず、タクシーは無い。
月給13万で前より収入が減ってる僕に、
タクシーなんて贅沢なものは選択肢外。
適当な店は…これでもいいんだけど、
なにしろこの金沢文庫駅にほとんど来ないから、
周辺に詳しくない。
となると…。
今は雨も降ってない。明日は休みで余裕もある。
歩くに決定!
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前にも書いたけど僕は自転車に乗れない。
みんなが自転車を使ってるとき、
いつでも歩いてきた。
そのため、足は鍛えられてて、
遅い自転車くらいのスピードを出せるし、
数時間歩く程度なら疲れない。
今こそ実力発揮のとき!
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国道沿いを歩き、
横須賀市に突入。
横須賀は土地の5/4が山という、
日本有数の山国。
無数のトンネルを抜けて。
途中、自転車乗ってるおじいさんを追い越した。
トンネルを3個越えても追いかけてこない。
勝った!まだ僕の足は現役だ!
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この余裕がいけなかった。
どうせこの辺を歩くのは久しぶり。
それなら、小さい頃よく連れてってもらった、
思い出の場所に行って見よう。
そんなことを思い、寄り道。
廃線のあとがある、
寂れた港。
凄く好きな場所だった。
というわけで、
この場所へ行けるはずのわき道を曲がり…。
曲がり…。
アレ……。
アレレ……?
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道に迷った……。
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一時間見たことも無い山の住宅街を歩き、
肝心の港には着かなくて、
しかも、気づいたら横浜方面の駅まで戻っていた…。
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僕が数時間歩くくらいでは疲れない足を持っていても、
さすがに、
【道に迷って目的地につけない挙句、戻ってた】は、
脱力…。
精神的な疲労が…。
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給料が減ってから、
自動販売機でジュースを買うという贅沢は、
自重していたんだが、
この日は解禁。
さすがに飲まなければやってられん。
¥150もする普段なら買わないペットボトルを買う。
そして疲れたので、
適当な公園のベンチで休み…。
そのまま、
安針塚駅から始発で帰った。
結局金沢文庫から4つの駅しか進んでない…。
悔しかったので後日リベンジした。
この駅で降りて長浦港を見てから歩いて家まで帰った。
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本当に。
なにデートの日の夜に、
こんな無駄なことをしてるんだ僕は。
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そしてコンビニの話は、
いよいよクライマックス近し。
【2003年5月】
PCショップで普通に働いていた僕に、
一本の電話。
元スーパー経営者の猿宮さん
「よう!元気か!?」
「猿宮さん!?
お久しぶりです!
どうしたんですか?」
「ちょっと話があるから来てくれるか」
「どんなことですか?」
「コンビニの開店を考えてるんだ」
!?
続く。