このコラムは現実を基にしたフィクションです。
登場人物名、一部の会社名は架空のものです。
更新は月、水、金になります。
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斉藤さん
「30万で始められます」
高いってばよ。
「いえいえ安いものですよ。
なにしろ本来なら¥2万かかるこのセットの購入が、
なんと¥8千でできるようになって…」
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【解説】
マルチ商法とねずみ講の違い。
ねずみ講は、
【勧誘のみが目的でお金が動くもの】
コレはもうはっきり日本の法律で違法。
【¥1000で会員権を買えます、
あなたは4人を勧誘すればリベートで元が取れて、
あとは子会員があなたの分の利益を稼いでくれます】
↑コレがねずみ講。
で、コレをあからさまにやると違法なので、
商品を流通させることで目くらましをしてるのが、
マルチ商法。
ただ、人を勧誘させるほうが儲かるけど、
商品を地道に売るという抜け道もあるので、
商材によっては意外に儲かる人もいなくは無い。
でも大概は儲からない。
人も勧誘できず、商材も売れず、人間関係を悪くするの3重苦。
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↑このことはわかってるのに。
斉藤さんと1時間半くらい問答をしてて。
《もしかして入ってみても良いんじゃないか…?》
とか思うようになってきた。
しかしコレはまやかし。
なぜこんな心理になったのか。
・斉藤さんは質問に必ず答え、
ひたすらプラス面を話し続ける
・宇津木もそれに協力する
この状況だと、
2対1のため、
僕が【この商品を買う人いるんですか?】とかの、
正論を言っても打ち消されてしまう。
そしてだんだん場の空気に飲まれてきてしまう。
コレが勧誘の恐ろしいところ。
つまり、超胡散臭い勧誘っぽいけど、
家族とかのしがらみで行かなければならないときの、
対策には、
【こちらも多人数で対処】が一番。
相手より人数が多ければなお良い。
ただ、だまされやすい人を連れてくと逆効果だし、
そもそも行かないのが一番だが。
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ちょっと僕が洗脳サレテルっぽいのが分かってきたので、
そろそろ確信を付いた質問をすることに。
この質問は、
斉藤さんではなく、
宇津木にした。
僕
「結局宇津木君は、
儲かっているのかい?」
宇津木
「え……確かにまだ元は取れてないけど、
でもこれからだぜ!」
言質取った。
《まだ元は取れてない》
「なら僕が元取れる保証も無いし、
この辺で失礼するよ」
マックなので会計は済んでいる。
二人を置いて店を出てきた。
斉藤さんの表情がゆがんでいる、
宇津木は呆然としている。
それだけ確認すると、
僕は早足で駅まで向かい、
さっさと電車に乗って東京を後にした。
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僕はこのとき貯金100万。
後にコンビニの店長に貸すことになる金が、
そっくりそのままあった状態。
(詳細は【テーマ コンビニ】を参照)
入ろうと思えば入れた。
だからこそヤバイ。
これ以上ここにいたら洗脳される。
そして、宇津木とは縁を切った。
次回後日談。