・2006年７月
ネコと一緒に暮らしてる、
一人暮らしの87歳のじいちゃんの家に、
yosiを含む家族四人が移住。
ミィ じいちゃんが散歩すると付いてくる愛猫
・2006年8月～2007年9月
家族5人で生活。休日は5人で食卓を囲む。
じいちゃんも好きだったゴルフを再開。
時々車も運転し、元気に過ごす。
もちろん、正直じいちゃんの運転は危なっかしかったが。
・2007年10月
末期ガンと判明。
じいちゃんは病院でほとんどの時間を過ごすことになる。
しかしなんとか家族が頑張り、
三日ほど、自宅で過ごす日があった。
食事はできず点滴のみで栄養補給。
しかしじいちゃんは戦争帰りの維持で、
トイレは絶対に自力で頑張っていた。
・2007年11月初旬
末期ガン患者を受け入れる病院へ転院。
しかし、その分しっかりした看護を受け、
点滴も栄養満点。
見た目むしろ健康になる。
話し言葉もしっかりしてる。
・2007年11月中旬
だから油断してしまった。
yosiが一週間見舞いに行かなかったら、
病状は急激に悪化。
両親が頑張って、
「自宅で最後を看取ろう」と、
ヘルパーや介護ベッドを用意してたが、
家に帰ってくるのは不可能な状態に。
・2007年11月18日
肺ガンなので息ができない。
しゃべるのもつらい状態に。
うわごとで「yosiの職場が閉鎖すること」を、
非常に心配してるとのこと。
この状態で人の心配ができるのはすごい。
しゃべるのは困難でも、
まだ耳は聞こえる。
「僕は仕事決まらないけど大丈夫だよ」
「今まで本当にありがとう」と何度も何度も伝える。
嘘ついて「仕事決まった」と言えば良かったんだけど、
いままでじいちゃんに嘘をついた覚えが無い。
「仕事決まってないけど大丈夫」と正直に言うべきと思った。
実際、どうにかなると思ってる。
入った人の8割が１年で辞める職場で1年半残ってるんだし、
この経験は活かせるだろう。
・2007年11月20日
息ができないということは本当につらい。
今の医学は進歩していて食事くらいは抜きでも大丈夫。
でも、空気の代わりは無い。
生きているだけで苦しいじいちゃんを楽にする為に、
麻酔を打つことをお医者さんは提案。
ただしこれは、ガンと戦うことの放棄も意味する。
このまま目覚めないかもしれない。
しかし、そこにいた娘二人と孫娘は、
麻酔を打つことを選んだ。
じいちゃんは意識を失った。
・2007年11月23日
3連休なのでyosiも病院に行く。
鎌倉駅前 yosiの住居は横須賀なので、
所要時間は一時間ほど
病院では、
じいちゃんは酸素マスクを付けて眠ってる。
が、眉間のしわが消えない。
やはり苦しいことが分かる。
両親は老人ホームのばあちゃんを見舞う為帰り、
yosiは本日は見張りとして病室に残る。
ここでむかしネットで見た話を思い出す。
「30年間植物状態だった男性が、
奇跡的に目覚めたとき、
その30年の出来事を全て覚えていた」
息子が来たこと、孫が来たこと、
全て分かっていたそうだ。
ただ、意思を表示する方法が無かっただけ。
その話を思い出し、
何度も大声で呼びかける。
「ありがとう」「じいちゃんは頑張ったよ」
「僕は大丈夫だよ」
そのまま病室にいること3時間。
基本的に携帯ゲーム機を遊びつつ、
時々じいちゃんの様子を伺い、呼びかける。
アレ、酸素マスクを外してる…。
付け直すも、左手は何度も動く。
看護士さんに話しはしておいた、が。
・2007年11月24日 朝5時30分
じいちゃんと4年過ごしてるネコの様子がおかしい。
ふだんならベッドの上までは来ないのに、
何かを訴えるように普段来ない場所で鳴きつづけていたそうだ。
そして直後に病院より電話。
容態急変連絡。
車で6時半に鎌倉に着いたときには、
事切れていた。
実際亡くなったのは、
ちょうどネコが鳴いてた時間の直後だったそうだ。
・今、葬式とかいろいろな話中。
享年88歳。すげえ頑張った。
ごくろうさま。ありがとう。
眉間のしわも取れててやすらかだったよ。
むかしじいちゃんが紹介してくれた、
コネの就職断ってゴメンね。
でも、大丈夫だから。きっと。