・目次
・会社名 登場人物名は仮のものです
・この話はフィクションです
実在のものとは一切関係ありません たぶん
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横浜の一等地のオフィス。
中年の眼鏡を掛けた、
物腰が柔らかい雰囲気の、
目が笑ってない松川支店長は、
あっさり僕を採用。
そして、まずは支店長直々に研修を受けた。
商材は【直収電話サービス】
解説
1952年設立当時NTTは国営だった。
そのため、家の電話は全て国との契約だった。
しかしその後1985年に民営化。
この時点で、
便宜上は家の電話も、
NTT以外の電話会社に契約することもできるようになった。
が、実際NTT以外の電話会社の参入は時間がかかり。
そして2001年。
家の電話を同じ番号のまま、
他の電話会社に契約できる、
番号ポータビリティが可能になった。
最近携帯電話業界でも始まったから、
そちらを思い浮かべるとわかりやすいかも。
ドコモで契約した電話番号が、
auでも使えるというシステムと同じ。
(逆も可だし、他にソフトバンクも可)
つまり直収電話営業とは
NTT以外の電話会社の代理店として、
NTTの家の電話の顧客を奪うのが仕事。
直収電話 ←詳しく知りたい人はネット辞典参照
「同じ電話番号ですからあまり変わりませんよ~」
と勧誘するわけだ。
丸一日研修を受けて、
まぁ、何となくわかった。
「じゃ明日から、
教育係に中村君を付けるから、
詳しいことは彼に聞いてくれ」
はーい。
中村さんは30代前半。
元広告代理店勤務の日焼けした黒い男性。
芸能人にいそうなダンディな人。
そして次の日、中村さんの下で、
実際の営業を見ることに。
仕事内容は、
一件一件住宅のチャイムを鳴らしていく、
訪問営業。
続く。