・目次
・会社名 登場人物名は仮のものです
・この話はフィクションです
実在のものとは一切関係ありません たぶん
【勤務9日目帰り】
中村さんと他のみんなでの帰りの電車。
新天地藤沢の話題でもちきり。
みんなの話を総合すると、
川崎よりちょっと厳しく感じたとのこと。
ただ、みんな何とか納得いく数は獲得したので、
明日も藤沢にしようという結論になった。
中村さん
「ただ、もう神奈川の方も限界近いんだよなぁ…。
だから、静岡の方まで行ってみようかと、
支店長に話してるんだ」
「静岡ですか!?」
静岡は神奈川の隣の県だけど、
はっきり言って横浜からはかなり遠い。
「でも静岡って…交通費は？」
「もちろん会社が出すよ。
実は、静岡の一部の地域でちょうど、
直収電話サービスが始まるからさ。
後もう一つ。
イッパ・クレストの静岡支社を、
近いうちに開く予定があって、
俺が支店長になるんだ」
中村さんが支店長!?
まあ、納得の人選ではあるが。
大事な時ってこのことだったのか。
「yosi君には、
僕の右腕になってほしいんだよ。
今日の営業も惜しかったのがいくつもあったみたいだし、
君のがんばりは評価してる」
………。
「来週、静岡で一週間。
ホテル代も会社が出すし、
観光気分であっちに行って見ようよ！」
………。
会社に着いた。
夜七時。
中村さんは支店長に報告し、
メンバーを確認。
中村さん
「あれ、全員戻って無いですか？」
支店長
「ああ、横須賀に行ったグループの一人がまだだ。
彼、後一件で目標達成だから、
取れるまで粘るってさ」
「あー。奴は本当に真面目ですからねぇ…」
奴の名前はもう覚えてない。
おとなしそうな外見の男性だったことくらい。
それはともかく、
今、夜の七時だよね。
今もそこにいると。
現在目標は5一日に５件くらいだから、
目的地に10時に着いたとして、
9時間、ほとんどチャイムを押し続けて…。
いや、やっぱりおかしいよこの仕事。
普通はこういう営業は移動時間も仕事のうち。
何時間労働してんだよ。
この過酷な仕事を。
結局時給は、
県の最低時給に近かった前のＰＣショップより低い…。
誰もが中村さん、門間さん、荒川さん、三浦さん並に,
獲れる訳じゃない。
西浦さんは波があったし、
他のみんなは目標を達成して無い人も多い。
僕もその獲れないほうの仲間だ。
辞めるべきだろう。
でも、一件は獲る。
続く。