・目次
この物語は現実を基にしたフィクションです。
登場人物名は仮名です。
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「立派な経営者にしてやる!」
猿宮さんはそう言うけどさ。
岩越店長のことで、
経営者の苦労、マイナス面を、
嫌というほど知った僕に、
それほど魅力的ではない提案。
猿宮さんの下で働くこと自体は、
結構魅力的だけど、
残念ながら、
待遇も将来の報酬も僕の希望通りじゃない。
なにより、
今PCショップのゲームコーナー勤務が、
かなり面白くなってる。
2003年の今、
新店長に認められ、
バイトながら、
ゲームコーナーのほぼ全権と管理を任されて、
毎日楽しくPS2本体を売りまくってる。
店全体の電話番もしてるのでPCの知識も少しずつ付いてきた。
仕事が楽しい。
結論は出た。
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「やはりPCショップのバイトを続けます!」
「そうかよ…」
猿宮さんの表情が変わった…。
怒りと見下しの顔だ…。
「PCショップなんかで、
未来があるもんかよ!!!」
怒鳴られた。
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そうかもしれない。
でも、それを人に決め付けられたくない。
「そんなことわからないですよ!」
僕はニヤリと笑ってそう返事し、
猿宮さんの店を後にした。
「当てが外れたなぁ…
アキマサくんにも声を掛けるか…」
最後に猿宮さんはそうつぶやいていた。
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こうして僕は、
岩越店長の下で働けない状態になり、
谷河原店長には採用を取り消され、
猿宮店長とは思想のすれ違いの末決別。
これで僕は完全に、
コンビニ業界と縁が切れた。
続く。