2001年 コンビニで学んだ事… 75 そして… | yosiのゲーマー日和

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元ゲーム店員のゲーマー日記。
日曜に毎週のゲームプレイ近況連載中。
月曜はゲーム以外の近況日記。
火曜日は週刊少年ジャンプの感想。
他の日は漫画やゲームなど。
アクションは苦手。RPG、テキスト系中心。

目次

 

この物語は現実を基にしたフィクションです。

登場人物名は仮名です。

 

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やすしが語ってくれた、

岩越店長の末路。

 

「家はなくなって今アパート暮らしだよ」

 

………前に聞いた話だと、

売ろうと思ったとき、

抵当権とか何とかの関係で、

買い手がいたのに売れなかったんだよな。

 

となると今手放せたとしても、

買い叩かれている可能性は高そうだ。

その欲しがっている買い手に売れなかったら価格下がるしな。

 

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「奥さんは今、

近くのスーパーでバイトしてる」

 

………。

 

コンビニの奥さんだと、

基本的に正~準社員レベルの月収。

店の規模にもよるけど場合によっては一流企業並み。

 

それが賃金の安い横須賀のスーパーのバイトになったんだから、

どう考えても奥さんの収入は半減、またはそれ以下だ。

 

「岩越店長は知らないけど…。

何か働いているとは思う」

 

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典型的な商売失敗パターン。

伊勢左木店を出店しなかったら、

避けられていたのだろうか。

 

たぶん、避けられなかったろう。

業界一位の店が近くに出店する運命は変わらぬままだし。

 

ただ、伊勢左木店の経営で背負った莫大な借金は、

なくなっていただろうから、

家まで取られる事は避けられたのでは。

 

………

 

やっぱり猿宮さんの話を思い出すと、

【商売を失敗する】という視点は、

一切無かったよなぁ…。

 

まああの人の場合、

奥さんが高給取りだから、

多少の失敗くらいならやり直せるんだが。

やっぱりその点でも猿宮夫妻はかなり勝ち組だな。

 

でも、そうそう恵まれている人ばかりではない、ってこと。

商売を始めるときはリスクもちゃんと考えないとダメダ。

 

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「やすし、色々教えてくれてありがとう。

正社員になれてよかったね。」

 

「yosiもゲームコーナーの仕事、

充実してるようで何よりだよ!

で、俺が気に入ってるのは、

グランツーリスモシリーズなんだけど…」

 

僕は車ゲームのことをよく知らないけど、

ゲーム雑誌をいつも読んでるのでほとんどのゲームの、

簡単な知識はある。

いつものように表面的な話題でお茶を濁し…。

 

「そろそろ行かなきゃ!

またね~」

 

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そしてアキマサにも会った。

 

彼は出勤中だったので、

あまり話は出来なかったが。

 

「猿宮さンから、

店に来なイかと誘われタよ。

断っタけどネ」

 

どうやら、

横浜みなとみらい地区のコンビニ勤務が、

うまくいってるらしい。

何よりだ。

 

やっぱり猿宮さん、

僕らの力を借りたいというよりは、

【あいつらなら安く使える】という意識の方が、

強かったんじゃないだろうか。

 

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そして、この頃携帯電話が壊れて、

別のキャリアの新電話番号を獲得したので。

 

コンビニの仲間の連絡先は全て失った。

付き合いも一切無くなった。

みんな僕の自宅の電話番号は知らないし。

  

そしてコンビニ勤務時の記憶は、完全に無くなっていった…。

 

次回最終回。