・目次
この話は現実を基にしたフィクションです。
登場人物名は仮名です。
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【2002年2月前半】
今回の棚卸しが、
以前に比べて差異が少なかった事実を知り、
そろそろ、借金の返済を求めるべきと考えた。
もう、ヤバイ状態なのは分かってきてる。
返してもらえるときに返してもらうべきだ。
というわけで、
岩越店長との会話。
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「50万円……、
そろそろ返してもらっても良いですかね?」
岩越店長が慌てだした。
「え……!?
ああ……。
……………」
なんで黙っちゃうんだよ。
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ちょっとの時間が過ぎて、
岩越店長が、
《ひらめいた!》って顔をして、
口を開いた。
「とりあえず、
利子としてこれ渡しておくから!
後は今度返すよ!な!?」
¥2万だ。
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↑ここでの借用書の不備が、
ここにきて響いた。
【本人の証明】
【日付、金額】
↑ここまでは良い。
この時点でばっくれは出来なくなった。
しかし、
【借金の期限】
【遅延損害金、利息】
↑この二つを定めてない。
つまり、
【いつとは言わないけど、
返す意思はある
その意思を示すために利子先払い】
これは有効だ。
僕がちゃんと期限を定めてれば、
【期限を過ぎたので全額返済を強制します】と言えるが。
今回は言い逃れのスキを作ってしまってる。
とりあえず、¥2万をもらい、
引き下がるしかなかった…。
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というわけで教訓。
どうしても人に、
お金を貸さなければいけない状態になったとき。
かならず借金の期限を定めておきましょう。
そうしておけば、
【こちらが正当な行動をする言い訳ができます】
全額返済等ね。
言い訳、結構重要。
最初からお金を騙し取るのが目的の、
結婚詐欺師等にも一定の効果があります。
期限という約束事を定めてるのに破るんだから、
【あなたよりもお金が大事】ということになり、
夢から覚める第一歩のきっかけになります。
貸さないのが一番だがな。
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一応、50万貸して2万の利息は破格。
たかだか数ヶ月でこれだけの金額になるなら、
銀行に預けるよりよっぽどいい。
このまま貸しっぱなしで、
利息だけをむしり続けるのも一つの手。
あきらかに岩越店長金銭感覚おかしくなってるし。
しかし当然、リスクには気づいてる。
【そもそも全額返済してくれる気があるのか?】
そのへんの保障がない以上、
机上の空論に過ぎない。
¥2万の戦果はとりあえず懐に入れつつ、
岩越店長とのマネーゲームは続く。
今回は、岩越店長が上手だった。